【不登校と高校進学】公立・私立・通信制・高卒認定の特徴とメリットを解説

不登校

「高校」と聞くと、多くの人は地域の公立全日制を思い浮かべるのではないでしょうか。
けれども、不登校を経験した子どもにとっては、そのスタイルが合わないこともあります。
今は、公立・私立・通信制、さらに高卒認定試験という道まで、選択肢は大きく広がっています。

ここでは、それぞれの高校の特徴と、不登校生にとってのメリットや注意点を整理していきます。高校進学への道は広がっています。

▼公立高校(府立・県立・市立)

公立高校には全日制と定時制があります。
全日制は3年間で卒業する最も一般的なスタイルで、地域の友達と関わりながら学ぶことができます。
定時制は夜間や昼間に通える仕組みがあり、働きながら学ぶ生徒もいます。

学費が安いのが大きなメリットですが、出席日数や内申点が重視されるため、不登校経験がある子にとってはハードルになりやすい面もあります。


▼私立高校

私立高校は、単位制やコース制など多様な学び方を用意している学校が多く、柔軟な対応が特徴です。
入試においても、学力検査だけでなく、面接や作文を重視する学校も少なくありません。
さらに、英語検定や部活動・生徒会などの実績を加点してくれる学校もあり、内申点が不利でもチャンスをつかめる可能性があります。

関連記事はこちら「不登校でも受験できる!?」

不登校の子にとっては、門戸が開かれているケースが多いのが魅力です。

▼一般的な私立高校の試験内容・推薦条件

1. 推薦入試の基本条件

  • 内申点基準:例として、5教科合計17以上9教科合計32以上などの基準が設定されることが多いです。学年や学校によって差があります。


■ 内申点の基準例(2024年度入試)

※ここにあるのは一部の例です。
また、高校や学科によっては毎年変更される場合もありますので、最新の詳細は各高校のHPなどでご確認下さい。

一般的な私立高校の専願・併願を希望する場合、評定は3〜4が必要な学校が多いんだね。

不登校で授業についていくのが難しい場合は、4や5を取るのは難しい子も多いだろうね。

  • 欠席日数条件:中3の欠席日数が15日以内、もしくは3年間で30日以内など、出席状況も条件に含まれることがあります。
  • ほかの成績条件:「1」がない、2でもダメという厳しい基準を示す高校もあります。

2. 入試方式の種類と特徴

  • 単願推薦:志望校を第一志望とし、中学校長の推薦+内申基準を満たせば合格可能な方式。
  • 併願優遇(推薦):公立第一希望で、併願として私立高校を受ける際に使える方式。内申や出席など基準を満たせば、当日の検査で加点あり。
  • オープン入試:内申不問で、当日の学力検査のみで合否が決まる方式。内申に自信がない場合に有効な選択肢。

内申が不安でも受けられる入試ってあるの?

あるある!それが“オープン入試”、当日のテストだけで合否が決まる方式!。内申に関係ないから、不登校経験のある子にもチャンスとなります。

▼オープン入試とは?

「オープン入試」とは、内申点(調査書)を問わず、当日の学力試験だけで合否が決まる入試方式です。つまり:

  • 内申点・事前相談・面談などを一切使わず、当日の試験結果だけで合否を判断
  • 実力勝負をしたい生徒に向いていて、「内申に自信がないけれど得意教科で勝負したい」場合のチャンスになります。

メリット:

  • 不登校などで内申点が不利でも、公立・推薦入試とは異なるルートで全日制高校に挑戦できる。
  • 学力さえあれば、平等に評価されやすい方式です。

注意点(デメリット):

  • 一発勝負になりがちで、当日の体調や緊張が結果に直結します。
  • 「併願優遇」や「推薦」のような合格確約の仕組みはなく、安心感では劣ります
有名予備校講師の授業が自宅で受講できる

3. 推薦入試の試験内容

  • 学力検査なし・人物重視型:調査書・推薦書・志望理由書+面接で合否判断されるケースが増えています
  • 実技試験あり:スポーツ推薦や芸術系コースでは、実技試験が課される学校もあります。
  • 自己表現(作文など)重視:報告書や志望理由書に加えて、作文や面接での自己アピールが重視される形式もあります。

推薦入試でよく出る試験内容の例


4. 加点制度の例

  • 検定・資格の加点:英検2級・準2級、日本漢字能力検定、実用数学技能検定などの資格取得で加点される学校もあります。
  • 部活・スポーツ実績:県大会以上の実績がある運動部活動生には加点があるケースも。eスポーツ系も評価する学校も増えつつあるので、自分の得意を増やすこともGood!

▼通信制高校

通信制高校は、基本的に自宅学習が中心で、登校は月1〜数回程度です。
最近では、タブレットやスマホを活用した学習スタイルも増えており、自分のペースで進められるのが大きな強みです。

関東の通信制高校4校

第一学院高等学校

「自分のペースで安心できる、やさしい通信制」

  • 登校日数を選べる → 不登校経験者でも負担が少ない
  • サポート体制が厚く、進学にも対応

N高等学校(角川ドワンゴ学園)

「ネット×新しい学び、未来型の通信制」

  • オンライン主体で、在宅学習がしやすい
  • IT・プログラミング・eスポーツなど時代に合った学びが強み

クラーク記念国際高等学校

「制服で通える、“全日制に近い通信制”」

  • 全日型で制服・時間割あり、生活リズムが整いやすい
  • スポーツ・留学・芸術などコースが豊富

鹿島学園高等学校

通いやすさと学費の安さが魅力の通信制」

  • 全国に学習センターがあり、関東にも多数
  • 学費が比較的安く、サポート校と連携しやすい

また、通信制高校と提携して学習や生活をサポートしてくれる「サポート校」を利用するケースも多く、不登校生にとって安心できる環境が整っています。

同じような通信制高校でも違いがあるもんだね。費用はどれくらいかな?

学校名登校日数特徴費用目安(年間)
第一学院高校自由に選択(月1〜週5まで対応)安心サポート、
進学実績あり
約25〜40万円+サポート費
N高等学校ネット主体
(通学はオプション)
オンライン主体、
IT・専門コースが豊富
約20〜30万円+通学費用オプション
クラーク記念国際高校全日型(ほぼ毎日通学)制服あり、全日制に近い学校生活約50〜80万円
鹿島学園高校週1〜数回(学習センターにより異なる)学費が安め、全国に拠点多数約20〜30万円+サポート費

費用については各校差がありますね。

通信制高校でも資料請求やオープンキャンパスなども行く方がいいね。

「高卒」と「専門」を同時に学べる通信制高校でなりたい自分になろう!

そうですね。

チェックリストでまとめていくと整理しやすいですよ。

下のチェックリストを参考にしてみてくださいね。

チェックシート例:学校A

  • キャンパス/サポート校:__(住所・最寄駅・通学時間)
  • 学び方:[オンライン/通学/全日型] スクーリング:__(回/学期)
  • サポート:個別指導__回/月(¥__)、カウンセラー有/無
  • 指定校推薦:主な枠__/進学実績メモ__
  • 初期費用:¥__/年間費用:¥__(内訳:授業料、施設費、サポート校)
  • オプション:__(¥__) 教材・模試:¥__
  • 交通費/月:¥__ 備考:__
    ――――――――――――――――

見学のコツ(さっと見ておく)

  • 校内の自習席・休憩スペースの雰囲気、先生の声掛けのトーン
  • 授業の“待ち時間”や締切運用が現実的か(締切→リカバー手順)
  • 通学動線(雨天・満員時間帯)と“行きやすさ”
  • その場契約は避け、見積PDFと規約を持ち帰って家族で確認

▼高卒認定試験

高校に通わずとも「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)」に合格すれば、大学や専門学校の受験資格を得られます。

高校進学が難しい場合の“保険”として知っておくと安心なルートです。

高卒認定試験とは?

  • 正式名称:高等学校卒業程度認定試験(高認)
  • 目的:高校を卒業していなくても、大学・専門学校の受験資格を得るための国家試験。
  • 実施:年2回(8月・11月頃)、文部科学省主催。
  • 対象:高校を卒業していない人(中卒・高校中退・通信制在籍中など)。

試験内容

  • 必修科目:国語、数学、英語、理科(科学と人間生活、物理基礎などから選択)、社会(日本史・世界史・地理・現代社会などから選択)
  • 合計8〜10科目程度に合格すれば「高卒認定」取得。
  • 合格科目は一度合格すれば翌年以降も有効(数年かけて合格可能)。

メリット

  • 大学・短大・専門学校の受験資格が得られる。
  • 高校を卒業しなくても「高卒と同等」とみなされる。
  • 就職活動でも「受験資格あり」と扱われることが多い。

注意点

  • 「高校卒業資格」そのものではない(進学や就職で「高卒資格」が必要な場合は不利になる)。
  • 独学で合格可能だが、計画性が必要。
  • 進学時に「学習習慣」が途切れていると大学生活で苦労するケースもある。

体験談

10代男性・不登校経験あり
中学から不登校気味で高校は通信制に入学するも続かず退学。高認を利用して大学進学を決意。2年かけて科目を合格し、推薦入試で大学合格。本人いわく「高校に行けなかった自分でもやり直せると感じた」。ただし、勉強は自己管理が中心となり、孤独感や継続の難しさを感じやすいという面もあります。
塾や通信教育を利用して合格を目指す子どもも少なくありません。

20代女性・中退から受験
高校を1年で中退し、高認を受験。最初は数学が難しかったが、通信教材と参考書で1年かけて合格。翌年に専門学校に進学し、夢だった美容系の仕事に就いた。

🌸 高卒認定は、「進学や就職をあきらめないためのセーフティネット」。
それを知っているだけで、親も子どもも少し気持ちが軽くなるはずです。


▼まとめ

高校は「全日制だけ」ではありません。
公立・私立・通信制、そして高卒認定という複数の道があり、不登校生でも選べる進路は確実に存在します。
それぞれの特徴を理解することで、子どもに合った進路を見つけやすくなります。

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