【不登校とゲーム】禁止せず安心を育てる3ステップ

不登校

「学校に行かなくていいよ」と認めたはずなのに、子どもが勉強もせず、片づけもせず、ただゲームばかり…。
そんな姿を目にすると、「これでいいのかな?」と親の胸はざわつきますよね。

でも実は、この“ゲームの時間”こそが、不登校の子どもにとって心を守る大切な役割を持っています。
今回は「ゲーム禁止しなくていい」理由と、親ができる3つのステップを紹介します。

わが家の体験から

うちの次女は、小学4年生ごろから不登校ぎみになりました。
それまでゲームは「1人20分まで」と決めていました。今思えば、けっこう厳しいルール。けれど長女のときから続けてきた習慣だったので、特に不自然には感じていませんでした。

ところが、不登校になって家で休むようになると「暇だからYouTubeを見たい」と言うように。見始めると、姉妹からは「ずるい、せこい」と言われ、家族からも「甘えているだけじゃない?」と声が上がりました。
その結果、私は「休んだときはゲームもYouTubeもなし」と決めてしまったのです。

でも、事態はまったく改善しませんでした。
むしろ次女はますます元気をなくし、家の空気も重たくなっていきました。

この経験を通じて気づいたのは、「禁止=解決」ではないということ。
子どもにとってゲームや動画は“ただの遊び”ではなく、“不安を忘れるための浮き輪”だったのです。

ゲームは悪ではなく安心の場

不登校になると、不安や自己否定感で気持ちが揺れやすくなります。
そんなとき、ゲームは「考えすぎから解放される時間」
親から見ると「ただ遊んでいるように」見えても、子どもにとっては心を守る浮き輪なのです。

ゲームと勉強はトレードできない

「ゲームを取り上げれば勉強するのでは?」と考えがちですが、実際は違います。
ゲームと勉強は別もの。

「ゲームをやめさせたら子どもは自然に勉強するようになる」と思いがちですが、最新の研究では、そう簡単ではないという結果が出ています。

例えば、「1時間ゲームをやめても、勉強時間はたった1〜2分しか増えない」ということも。
また、「1時間あたり男子で1.86分、女子で2.70分程度しか学習時間が減らない」とする経産省系の分析もあります。

もちろん、「ゲームを導入したら学力が落ちた」という実験結果もありますが、逆に「ゲームが認知力を高めた」という研究もあり、ただの“因果関係”は一概に結論づけられないのが現状です。

以上のように、
ゲームをやめさせても、そのまま勉強に切り替わることはありません。
むしろ「禁止された怒り」や「やりたい気持ち」がふくらみ、親子関係がこじれることも。

不登校児を抱えるご家庭の保護者さんなら、これは体感としてあるのではないでしょうか。

学校の先生や近所、ママ友、祖父母たちからは、違う意見をもらうこともあるかもしれませんが、

私の肌感覚としても「ゲームと勉強はトレードしない」というのは真実です。

ではどうしたらいいでしょうか。


好きなだけやらせる勇気

児童精神科医もすすめるのが「デジタルフリー」
「時間を気にせずやり込んでいいよ」と伝えると、結果的に回復が早まる子が多いのです。

ただし、ここで大切なのは「親が一方的にルールを決めない」こと。

本人が決めたルールを尊重する

たとえば…

こうしたルールは子ども自身に考えてもらいましょう。
親が「守らせる」のではなく、「どうやったら守れるか一緒に考える」スタンスがポイントです。

サポートの仕方

「気持ちよくゲームをやりたい」という子なら、
熱中しすぎてイライラし始めたときに「ちょっと休む?」と声をかける。
自分で休憩を選べるようになれば、“自分のコントロール感”を取り戻していけます。


親のイライラを減らす工夫

子どもがずっとゲームをしている姿を見るのは、親にとってつらいもの。
そんなときは「住み分け」をしてみましょう。

これだけで親のストレスはぐんと減ります。

画面よりも表情に目を向ける

ゲームの画面ではなく、夢中になっている子どもの顔を見てみてください。
そこには“安心している表情”や“楽しそうな集中の顔”があります。
「そんなに悪いことではないのかも」と思える瞬間が増えるはずです。


まとめ

ゲームは“不登校の原因”ではなく、“不安をやわらげる浮き輪”です。
禁止するよりも、 「安心のために必要な時間」 ととらえることが、親子の関係を守る近道。

この3ステップで、子どもが少しずつ自分のペースを取り戻していけるはずです。

次回の「第二部」では、さらに多くの親が悩む 昼夜逆転と勉強の不安 に焦点を当てて、具体的な工夫を紹介します。


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