可愛い子には旅をさせろ」
──昔からある言葉ですが、いざ“送り出す側”になってみると、その重みは想像以上です。
私は20歳のとき、アメリカで3週間の語学留学を経験しました。あのときは夢中で挑戦しましたが、今や親となり、自分の子どもが「留学したい」と言い出したら?
心配が先立つのは、きっと私だけではないはず。
この記事では、私の体験談を交えながら、現代の留学事情・費用のリアル・親にできることをまとめました。
▼私の20歳の留学体験
大学2回生の夏、私は思い切ってアメリカ・カリフォルニア州サンタバーバラへ3週間の語学留学に行きました。
ホームステイ先は友人とは別々、現地のスイス人ルームメイトは英語もドイツ語もペラペラ。片や私は単語を並べるレベル…。
スマホも翻訳アプリもない時代で、伝えたいのに言えないもどかしさに泣きたくなる日もありました。
それでも「日本人とだけつるんでどうする!」と自分に言い聞かせ、片言の英語で必死に会話。
教科書の“Present Perfect”を見て「……これ何の授業?」と固まったのも、今となっては笑い話です。
▼今の留学は「学校単位」が主流に
近年は、私立高校や自治体が企画する学校単位での短期・長期留学が増えています。
2024年には、日本人の留学全体のうち 22%が学校・自治体主導のスタディツアーでした。
特に高校生の留学は年々増えており、
- 3ヶ月未満の短期留学:31,711人
- 3ヶ月以上の長期留学:3,174人
(文科省調査より)
行き先はカナダ・アメリカ・オーストラリア・ニュージーランドが人気。
「団体で行ける安心感」は、親としても心強いポイントです。
▼具体的な高校の事例(そらの調べ)
留学を制度として整えている高校も増えています。
◆ 京都外大西高等学校(京都市)
- 国際・文化コースでは、ニュージーランド・カナダへの1か月・6か月・1年留学プログラムを用意。
- 学校自体が姉妹校との連携を持ち、交換留学や国際交流を支えています。
- 親としては「学校が窓口になってくれる」安心感があります。
◆ 郁文館グローバル高等学校(東京都文京区)
- 2年次の1年間留学が卒業要件になっているユニークな学校。
- 全員が必ず留学を経験する仕組みがあり、学校としてのサポート体制が整っています。
- 「制度に組み込まれている」点で、親としては大きな安心材料です。
▼でも「お金」は安心できない
安心の裏には、現実的な“お金”の問題があります。
◆ 立命館宇治高校 IMコースの例
- カナダ:約380万円
- オーストラリア:約400万円
- ニュージーランド:約400万円
これは1年間の留学プログラム費用(授業料・ホームステイ・渡航費など込み)。
さらに在学中の授業料・教育充実費(約93万円)が必要で、
合計は約470〜500万円になります。
ここに現地での生活費やお小遣い(年間40〜60万円)も加わるので、実際には500万円超えが現実的な数字です。
みんな、どうやって払っている?
- 奨学金:「トビタテ!留学JAPAN」や自治体・財団による給付型(返済不要)が活用されるケースあり
- 学校独自の支援金:例)立命館守山高校は長期留学に一律6万円支給
- 教育ローン:国の「教育一般貸付」は最大450万円まで利用可(固定金利3.15%)
- 親の貯蓄+ローン+奨学金の組み合わせが一般的
「学校に任せれば安心」でも、「お金は安心できない」──これが親たちのリアルです。
▼留学後に得られるもの
留学経験で得られる力は、語学力だけではありません。
- 異文化適応力・柔軟な考え方
- コミュニケーション力・表現力
- 批判的思考・課題解決力
- 精神的なレジリエンス(立ち直る力)
- 自立心と自己理解
- グローバルな人脈と視野の広がり
つまり、**お金以上の価値がある“人生の財産”**を得られるのが留学の魅力です。
▼親にできること/すべきでないこと
親がすべきこと(必要な支援)
- 情報収集と現実的な資金計画を一緒に考える
- 海外保険や緊急連絡体制など、安全ネットを用意する
- 「大丈夫、信じてるよ」と精神面で背中を押す
- 帰国後、安心できる居場所を整え、経験を尊重して聞く
親がすべきでないこと(必要ない支援)
- 過干渉して手取り足取り準備する
- 「危ないよ」「大丈夫?」と心配ばかり押しつける
- 現地生活に細かく口出しする
- 留学の成果を“資格や点数”だけで判断する
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▼まとめ|「いってらっしゃい」と言える親でいたい
子どもの留学には、心配もお金の負担もつきものです。
それでも、親が子どもを信じて送り出す勇気こそが、最大の応援になるのだと思います。
私自身、20歳のときに挑戦した留学が、今の自分を形づくりました。
だからこそ、娘が「行きたい」と言ったら──
「いってらっしゃい!」と笑顔で送り出せる母になりたい。
……ただし、空港ではきっと泣いてしまうでしょうけどね。
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