毎朝、娘より10分早く「そろそろ起きて」と声をかけていました。
遅刻させたくない。髪型を気にする子だから、時間がなくて焦らせたくない。
そう思ってのことでした。
でも気づいたら、声をかけるたびにお互いの気持ちをぶつけ合うだけになっていた。
疲れたのは、私でした。
毎朝繰り返していた「声かけ」がしんどかった
不登校になってから、朝がいちばんしんどい時間になりました。
私は仕事があります。出勤時間は決まっている。でも娘は起きてこない。
「学校どうする?」「体調は?」「ご飯食べる?」——気づけば毎朝、矢継ぎ早に声をかけていました。
娘のためを思ってのことでした。でも今思うと、自分の不安を解消するために声をかけていたのかもしれません。
娘の返事はいつも同じ。「わかってる」「あとで」「うるさい」。
言い合いになる朝もありました。お互いに気持ちをぶつけるだけで、何も解決しない。
それでも翌朝また同じことをしていました。
不登校の子の朝に起こりやすいこと
声かけをやめる前に、まず知っておいてほしいことがあります。
不登校の子どもが朝に起きられないのは、多くの場合「怠け」ではありません。
自律神経の乱れが原因であることが多いです。
不登校の子どもは精神的なストレスが続いているため、自律神経のバランスが崩れやすい状態にあります。夜に交感神経が優位になって眠れない、朝になっても副交感神経から切り替わらずに起きられない——これは本人の意志の問題ではなく、身体の問題です。
また、起立性調節障害(OD)という疾患も関係していることがあります。
起立性調節障害は、立ち上がったときに血圧が下がりやすくなる自律神経の病気で、朝に強い倦怠感や頭痛が出やすいのが特徴です。不登校の子どもに多く見られることがわかっています。
親が「早く起きなさい」と声をかけるほど、子どもにとってはプレッシャーになります。
プレッシャーはさらにストレスを生み、自律神経の乱れを悪化させる——という悪循環になりやすいです。

子どもが朝起きられないのは、やる気の問題だと思っていました。

私もそう思っていました。でも身体の仕組みを知ってから、見方がガラッと変わりました。
起立性調節障害についてもっと詳しく知りたい方には、こちらの本が参考になりました。
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声かけのNG例とOK例
では、どう声をかければいいのか。
私が試行錯誤した結果、シンプルな結論に行き着きました。
NGな声かけ
- 「早く!」「まだ寝てるの?」
- 「学校どうするの?」(朝一番に聞く)
- 「ご飯できてるよ、早く来て」(急かす言い方)
- 「〇時になるよ、間に合わないよ」(不安を煽る)
これ、全部やっていました。
OKな声かけ
- 「今〇時だよ」とだけ言って、その場を離れる
- 返事がなくても繰り返さない
- 朝一番に学校の話をしない
ポイントは「情報だけ伝えて、あとは待つ」こと。
判断は子どもに委ねる。それだけです。
やめたきっかけは、自分が限界だったから
正直に言うと、「声かけをやめよう」と戦略的に考えたわけではありません。
ただ、疲れたんです。
毎朝同じことを繰り返して、同じように言い合いになって、仕事に行く前から消耗する。
それが毎日続いていた。
「もうやめよう」と思ったのは、娘のためというより、自分が限界だったからです。

毎朝声をかけてあげないと、子どもが動けないんじゃないかって心配で……やめるのが不安です。

その気持ち、すごくわかります。でも実は、声をかけ続けることで「自分では動けない子」になっていることもあるんです。
ワーママとして働きながら不登校の子どもに対応するのは、想像以上にエネルギーがいります。
朝の声かけに感情を使うのをやめることは、自分を守ることでもありました。
気づいたら娘には「10分」の時間軸があった
声かけをやめてしばらくして、気づいたことがあります。
娘には娘の時間軸があった。
私が「そろそろ起きて」と声をかけていたのは、娘が実際に必要とする時間より10分早かったんです。
私は「余裕を持って」と思っていたけれど、娘からすると「まだ大丈夫なのに急かされる」状態だった。
10分待てば、娘は一人で動き出す。
それがわかってから、朝が少し変わりました。
私が声をかけなくても、娘は自分のペースで起きて、自分で用意する。完璧じゃないけれど、言い合いにはならない。
親の時間軸を子どもに押し付けていたのは、私のほうだったんだと気づきました。

「待つ」って簡単そうに聞こえるけど、実はいちばん難しい。でも、それが子どもへの信頼のはじまりでした。
声かけをやめてから変わったこと
声かけをやめてから、変わったことを正直に書きます。
娘の変化
- 朝の言い合いがなくなった
- 自分で起きようとする日が増えた
- 「うるさい」と言われることがなくなった
私の変化
- 朝の消耗が減った
- 仕事に行く前の気持ちが少し楽になった
- 娘のことを「信頼して待つ」感覚が少しわかってきた
劇的な変化ではないです。でも、毎朝のしんどさが減ったことは確かです。
それでもしんどい朝はある
きれいごとで終わらせたくないので、正直に書きます。
声かけをやめても、しんどい朝はあります。
娘がまったく起きてこない日。学校に行けない日が続いているとき。
「このままでいいのかな」と不安になる朝。
そういう日は、私も気持ちが沈みます。
でも今は「今日はそういう日」と決めるようにしています。
完璧な朝なんてない。今日うまくいかなくても、明日また試せる。
それくらいの気持ちでいないと、こちらが先に倒れます。
ワーママとして朝に余裕をつくるために私がやっていること
最後に、私が実際にやっている朝の工夫をまとめます。
前日の夜にやること
- 自分の仕事の準備を全部終わらせる
- 娘の翌日の声かけをしない(「明日学校どうする?」は聞かない)
- 自分が何時に起きるか決めておく
朝にやること
- 娘より先に起きて、自分の時間をつくる
- 娘への声かけは「今〇時だよ」の一言だけ
- 学校に行けない日は、早めに職場に連絡して気持ちを切り替える
学校に行けない日の家での過ごし方
学校に行けない日でも、家で少しでも学習できる環境をつくっておくと、親も子どもも気持ちが楽になります。
我が家では、タブレット学習を取り入れています。強制はしていません。でも「やりたいときにできる」環境があることで、娘自身が気持ちの切り替えをしやすくなっています。
不登校の子に合った学習教材については、こちらの記事にまとめています。
👉 不登校の子にスタディサプリは続く?長女と1年使ったワーママの本音
👉 不登校の子にスマイルゼミは合う?約1年使ってわかったこと【小学生ママの本音】
まとめ
朝の声かけをやめることは、子どもを放置することではありません。
子どもの時間軸を信頼して、待つことです。
私が声かけをやめたのは、疲れたからでした。でもそれがきっかけで、娘のことを少し信頼できるようになった気がしています。
完璧な朝なんてなくていい。今日も一緒にやっていきましょう。

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