「行き渋り」って、一言じゃ全然語れない
「行き渋りで困っています」
そう言うと、なんとなくわかってもらえる気がする。でも実際のところ、行き渋りには本当にいろんな形があって、日によってパターンも違って、親のしんどさも全部違います。
朝、ベッドから全く出てこない日。
起きてきたのに、玄関で固まってしまう日。
学校には行ったのに、昼前に「早退させてください」と電話がかかってくる日。
そして前日の夜、子ども自身が「明日は行く」と言っていたのに…という日。
うちの娘は、全パターンありました。
しかも日によってバラバラで、「今日はどのパターン?」と毎朝ドキドキしながら起こしに行く日々が続いていました。
この記事は、そんな毎朝の消耗を経験したワーママとして書いています。「こうすれば解決する」という記事ではなく、「そのしんどさ、全部わかるよ」という記事です。
同じように疲れているお母さんに、少しでも「うちだけじゃないんだ」と思ってもらえたら嬉しいです。
行き渋りのパターン別・親のしんどさをまとめてみた
同じ「行き渋り」でも、親が感じる疲労感やしんどさはパターンによって全然違います。まずはそれぞれのパターンと、そのときの正直な気持ちを書いていきます。
パターン① 朝、ベッドから全く出てこない
声をかけても返事がない。
何度呼んでも、布団にくるまったまま動かない。
思い切って布団をはがしても、また丸まる。
「起こした方がいいのか、そっとしておくべきか」
毎朝その判断を迫られながら、自分の出勤時間も迫ってくる。下の子の朝ごはんや準備もある。時間がどんどん過ぎていく中で、動かない子どもの前に立ち尽くす感覚。
このパターンで一番しんどいのは、「どう接すればいいか、正解がわからない」ことだと思います。
優しく声をかけ続ける?強めに起こす?それとも何も言わずに待つ?やってみたけど全部うまくいかなくて、結局「もう知らん」と心の中でつぶやいて仕事に行く。
その「もう知らん」と思った自分への罪悪感が、じわじわ積み重なっていきます。
➡ 朝の声かけで悩んでいる方は、こちらも読んでみてください。
【不登校】朝のNG声かけ5つ|逆効果になる言葉
パターン② 起きてきたのに、直前で行けなくなる
朝ごはんも食べた。制服に着替えた。ランドセルも玄関に置いた。
「今日は行けるかも」
そう思った瞬間に期待してしまう自分がいる。
でも玄関を開ける直前、急に足が止まる。「やっぱり無理」「お腹が痛い」「頭が痛い」。
このパターンが、私の中で一番精神的にきつかったです。
ここまで来たのに、という気持ち。あと一歩だったのに、という気持ち。期待した分だけ、ダメージが大きい。冷静に「そうか、今日も無理だったんだね」と受け止められる日もあれば、思わず「なんで!?」と声が荒くなってしまう日もありました。
後から冷静になって「あの言い方はきつかった」と後悔する。そのループが本当につらかったです。
パターン③ 行ったけど、早退してくる
仕事中に知らない番号から電話がかかってくる。学校からだとわかった瞬間、心臓がぎゅっとなる。
「お母さん、○○さんが体調不良で…お迎えに来られますか?」
会議の途中でも、締め切りがあっても、「はい、すぐ行きます」と言うしかない。
上司や同僚に「すみません、子どもが…」と言いながら職場を出る申し訳なさ。
車を運転しながら「また迷惑かけた」「次はいつこうなるんだろう」「でも子どもも本当につらいんだよな」という気持ちがぐるぐるする。
このパターンで地味にしんどいのが、職場への罪悪感と子どもへの罪悪感が同時にくることです。どちらに対しても申し訳ない気持ちになって、心の逃げ場がなくなる。
「ワーママって、ほんとうに余裕がない」と実感した瞬間でもありました。
➡ 仕事中も子どものことが頭から離れない——そんな方はこちら。
仕事中、子どものことが頭から離れない——不登校ワーママが罪悪感をゆるめるまで
パターン④ 前日の夜は妙に前向き
「明日は行く」
「ちゃんと起きるから大丈夫」
「今日は調子いいし、たぶん行ける」
子ども自身がそう言い出す。
信じたい。信じてあげたい。だから信じる。
でも翌朝、また動けない。
最初は「本人が言ったんだから」と思って、何度も信じました。でも何度も裏切られると(本人は裏切るつもりなんてないのに)、だんだん「また言ってる…」と冷めた目で見てしまうようになる。
そして、そんな自分が嫌になる。
「信じてあげられない親になってしまった」という罪悪感。これが一番深いところで積み重なっていました。
なぜパターンが変わるのか——子どもを責めないでほしい理由
「昨日と今日で全然違う。いったいどっちが本当の状態なの?」
私もずっとそう思っていました。
でも今は、どちらも本当の状態だと理解しています。
前日の夜に「明日は行く」と言ったのは嘘じゃない。その瞬間は本当にそう思っている。子どもだって行きたい気持ちはあるんです。でも朝になると体が動かない、気持ちはあるのに体がついてこない、という状態になってしまう。
これは意志の弱さでも、さぼりたいからでもないんですよね。本人もどうにもできなくて困っている。
そのことが頭ではわかっていても、毎朝の現実はしんどい。「わかってるけどつらい」、それが行き渋りと向き合う親のリアルだと思います。
毎朝疲弊してしまう本当の理由
行き渋りが親にとって消耗する理由、それは「毎朝予測できないから」だと思っています。
不登校で「今日も休む」が確定している状態より、行き渋りの方が精神的にきつい、というお母さんは多い。なぜなら、行き渋りは毎朝「今日はどうなるか」がわからないから。
期待して、裏切られて(本人は裏切ってないけど)、また期待して、また落とされる。
このアップダウンを毎朝繰り返すのが、親の体力と精神力をじわじわ削っていきます。
さらにワーママの場合は、出勤時間というタイムリミットがある。子どものことに丁寧に向き合いたくても、時間がない。その状況での「また無理だった」は、ダメージが倍になります。
少し楽になるための考え方
魔法のような解決策はないです。正直に言います。
でも、私が実際に試して「少し楽になった」考え方をいくつか共有します。
「今朝の状態だけを見る」
前日の夜と比べない。昨日と比べない。今日の朝の状態だけを見る。それだけで、期待と落差のループから少し抜け出せます。「昨日は行けたのに」「昨夜は行くって言ってたのに」という比較をやめるだけで、心の消耗がかなり減りました。
「行けたらラッキー、くらいの期待値に設定する」
期待値を意図的に低く設定するのは、子どもを見捨てることとは違います。自分の心を守るための作戦です。「今日は行けるかも」ではなく「今日も無理かもな、でも行けたらラッキー」という出発点にしておくと、うまくいかなくても気持ちの落差が小さくなります。
「イライラした自分を責めない」
イライラするのは当然です。毎朝不確定な状況に対応しながら、仕事もこなしているんだから。感情は出て当たり前。イライラしても「そりゃそうだよね」と自分に言ってあげてください。
➡ もっと詳しく「親のしんどさの対処法」を知りたい方はこちら。
【もう限界】不登校で親がしんどいとき少しラクになった5つの対処法
まとめ——疲れて当然です
行き渋りのパターンは一つじゃない。そして、どのパターンもしんどい。
疲れて当然です。消耗して当然です。イライラして当然です。
それはあなたの対応が悪いからでも、親として失格だからでもない。それだけ一生懸命向き合っているからです。
今日1日、子どもの隣にいられた。それだけで十分です。
同じように毎朝頑張っているお母さんたちへ、少しでも「楽になれる日が来るよ」と伝えたくてこの記事を書きました。
➡ 「じゃあ実際にどう動けばいい?」という方はこちら。
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