「学資保険と奨学金でOK」を信じた人たちの、その後の話

学習・進路
記事内に広告が含まれています。
パパ
パパ

「うちの子、大学どうしよう」って本気で悩む前は、学資保険と奨学金があればなんとかなる、そう思ってました。

えんがわさん
えんがわさん

その「なんとかなる」を信じてきた人たちが、今どうなっているか、知っておきたいですよね。調べてみました。

17年前、育児雑誌には「学資保険と奨学金でOK」という言葉があふれていた時代がありました。当時それを信じて備えてきた人たちは、いま実際どうなっているのでしょうか。

奨学金の金利や返済の実態を知ると、「そのままで大丈夫」とは言い切れない現実が見えてきます。

なぜ奨学金を借りることになるのか

パパ
パパ

実際、奨学金を借りてる人ってどれくらいいるんですか?

えんがわさん
えんがわさん

2025年の調査では、大学生の約37%が奨学金を利用しているといわれています。理由の多くは、授業料や生活費がまかなえないから。仕送りは年々減り、大学にかかる費用は上がり続けているんです。

パパ
パパ

大学に行く人自体も増えてるから、というのもありますか?

えんがわさん
えんがわさん

そうなんです。大学(学部)進学率は2009年度に初めて5割を超え、2025年度には58.6%まで上昇しました。

項目2009年度2025年度
大学(学部)進学率50.2%58.6%

昔は「大学に行かない」という選択も普通にありましたが、今は「行くのが当たり前」という空気の中で、「学費は親が全部出すもの」という前提そのものが、もう当てはまりにくくなってきているのかもしれません。

奨学金を借りることは、決して特別なことではありません。だからこそ、借りたあとにどうなっていくのかも、一緒に見ていけたらと思います。

奨学金の「その後」① 複数借りると卒業時に何百万円もの借金

パパ
パパ

奨学金って、実際どのくらい借りることになるものなんですか?

えんがわさん
えんがわさん

奨学金には無利子の第一種と、利子がつく第二種があり、この二つは併用して借りることができます。

例えば月12万円4年間借りると、それだけで約576万円。さらに大学独自の奨学金や自治体の奨学金を重ねて借りているケースも珍しくありません。

借入内容借入総額
月額12万円(第一種+第二種)×4年間約576万円
パパ
パパ

返済っていつから始まるんですか?

えんがわさん
えんがわさん

返済は卒業してから6か月後にスタートし、最長20年続きます。社会人としての生活が、返済と一緒にスタートすることになります。

奨学金の「その後」② 金利は卒業時に決まる

パパ
パパ

奨学金の金利って、借りてる間はどうなってるんですか?

えんがわさん
えんがわさん

そこに気がつくのはすごいですね。

2022年ごろは約0.4%でしたが、2026年1月には2.512%まで上がっています。上限は年3%と決まっているものの、この数年で金利は大きく変わってきました。

時期金利
2022年ごろ約0.4%
2026年1月2.512%
上限年3%
パパ
パパ

実際に返すとしたら、いくらくらいになるんですか?

えんがわさん
えんがわさん

仮に300万円を金利2.5%20年で返済する場合、月々の返済額は約16,000円、総返済額は約382万円にのぼります。利息だけで約82万円。在学中はあまり意識しない部分ですが、卒業後にじわじわと効いてくる負担なんです。

表にしてみました。

借入額300万円
金利2.5%
返済期間20年
月々の返済額約16,000円
総返済額約382万円
利息総額約82万円

「奨学金<NISA投資」論の危うさ

パパ
パパ

「奨学金の金利が低いなら、一旦借りておいて、

NISAで運用→利ざやを稼げばいい」って聞いたことあるんですけど、どうなんでしょう?

えんがわさん
えんがわさん

よく見かける意見ですね。奨学金の金利が年2.5%前後、オルカン(全世界株式)の期待利回りが年5%前後だとすると、単純計算では「3%お得」に見えます。でも、この比較にはいくつか注意しておきたい点があります。

パパ
パパ

そんなに差があるなら、やっぱりお得な気がしちゃいます。

えんがわさん
えんがわさん

奨学金の金利は借りた時点でほぼ固定され、返済義務も確実に発生します。一方でオルカンの5%はあくまで長期の平均値。実際の値動きは年によって大きく異なり、10年区切りで見ても平均利回りが4%前後の時期もあれば12%を超える時期もあります。「借りている間ずっと5%で増え続ける」とは限らないんです。

開始年10年間の平均利回り
2005年〜8.42%
2006年〜5.53%
2007年〜3.95%
2008年〜5.34%
2009年〜12.08%
パパ
パパ

そんなに変わるんですね…

えんがわさん
えんがわさん

もうひとつ気をつけたいのがタイミングです。奨学金の返済は卒業の6か月後から始まりますが、ちょうどそのタイミングで相場が下がっていたら、含み損を抱えたまま取り崩して返済することになりかねません。NISAはもともと老後資金など長期の資産形成を目的にした制度なので、数年後に必ず使うお金の置き場所としては、本来の強みを活かしにくい面もあります。奨学金は「増えても減っても返す額が変わらない借金」、投資は「増えるか減るかわからない資産」。この非対称な関係は、頭の片隅に置いておいて損はなさそうです。

滞納者の現実

パパ
パパ

もし返せなくなったら、実際どうなるんですか?

えんがわさん
えんがわさん

JASSOの2022年度調査によると、3か月以上滞納した人の46%が非正規雇用か無職。滞納者の83.4%は年収300万円以下だといいます。実際に返済が難しくなった人からは、生活の厳しさを訴える声も聞かれます。これは特別な誰かの話ではなく、当時「なんとかなる」と思いながら借りた、ごく普通の人たちがたどっている道のひとつなんです。

対象割合
3か月以上の滞納者のうち、非正規雇用・無職46%
滞納者のうち、年収300万円以下83.4%

学資保険の現実

パパ
パパ

うちは学資保険に入ってるので、それで大丈夫かなと思ってるんですが…

えんがわさん
えんがわさん

それも、一度見直しておきたいところです。返戻率が100%を下回る、つまり払った額より受け取る額の方が少ない商品も少なくありません。それに、4年間で400万〜600万円かかる大学費用を、学資保険だけでまかなうのは、今の時代では少し難しくなってきているようです。

項目2009年度
(子どもが0歳の頃)
2025年度(現在)
私立大学文系の年間授業料約73.7万円約85.0万円
4年間の授業料(単純計算)約295万円約340万円
入学金・施設費を含む初年度納付金約115万円約121万円
パパ
パパ

昔と比べて学費自体も上がってるんですか?

えんがわさん
えんがわさん

そうなんです。私立大学文系の年間授業料は、子どもが0歳だった2009年度には平均約73.7万円でしたが、2025年度は約85.0万円まで上昇しました。当時の相場感で4年間分を計算していると、今の学費とは少しズレが出てきているんです。

じゃあどうする? 状況別の対策

① 学資保険だけで準備してきた人

パパ
パパ

うちはこのパターンなんですが、今からできることはありますか?

えんがわさん
えんがわさん

まずは自分が入っている学資保険の返戻率を確認してみてください。そのうえで、解約して別の方法に切り替えるか、不足分を他の方法で上乗せするか。どちらを選ぶにしても、まずは「いくら足りないのか」を把握することが先決です。

② 子どもがもう高校生という人

パパ
パパ

うちの子はもう高校生なんですが、今からだと何ができますか?

えんがわさん
えんがわさん

返さなくていい給付型奨学金は、高校在学中の予約採用で申し込めます。まずここを確認してみてください。借りる場合は、国の教育ローン(日本政策金融公庫)なら上限350万円・年2.25%固定で、親が借りるため子どもに返済の負担がいきません。銀行の教育ローンは、イオン銀行が年2.80%〜、三井住友銀行が年2.975%〜など、審査が早いのが特徴です。もし勤め先に互助会や従業員貸付制度があれば、年1〜2%程度と低金利なこともあるので、総務に確認してみる価値はあります。

種類上限・金利特徴
国の教育ローン(日本政策金融公庫)上限350万円・年2.25%固定親が借りるため子どもに負担がいかない
イオン銀行(教育ローン)年2.80%〜審査が早い
三井住友銀行(教育ローン)年2.975%〜審査が早い
勤務先の互助会・従業員貸付制度年1〜2%程度制度の有無を総務に確認
パパ
パパ

借りる前に決めておいた方がいいことはありますか?

えんがわさん
えんがわさん

そうですね。借りる前に「月いくらまでなら返せるか」を先に決めておくこと。手取り20万円なら、月2〜3万円が現実的な上限です。

③ 共通してやること

パパ
パパ

状況によらず、共通して気をつけたほうがいいことはありますか?

えんがわさん
えんがわさん

大学選びは、費用とセットで考えること。国公立と私立では、年間の授業料が倍近く変わります。奨学金を借りるなら、できるだけ第一種(無利子)だけに絞ること。「とりあえず借りておけばいい」という考え方だと、卒業後の自分が少し大変になってしまうかもしれません。

まとめ

パパ
パパ

なんだか、今までの感覚とはだいぶ違いますね…。

えんがわさん
えんがわさん

「学資保険と奨学金でOK」は、金利も物価も低かった時代の考え方でした。2026年のいま、奨学金の金利は2.5%を超えています。早いうちから「どう備えるか」を具体的に考えておくこと。それが、数年後の自分と子どもを助けてくれます。今日からすべてを変える必要はありません。まずは「うちはいくら必要で、いくら足りないのか」を知ることから、少しずつ始めてみてください。

あわせて読みたい記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました