学校との面談で「欠席が多い」
と言われると、親は「このままでは進級できないのでは」と不安になります。
でも実は、欠席数だけが進級を決めるわけではありません。
学校が本当に見ているのは「その子の学習状況」や「評定」。親が知るべきは「具体的にどういう基準で判断されるか」という現実です。
この記事では、親が学校と話すときに知っておきたい欠席数の仕組みを、教員視点と親視点の両方から解説します。

▼親が欠席数で不安になる理由
「このままだと進級できない」という不安
子どもが学校に行けない日が増えると、親は常にこれを心配しています。
「欠席が増えると進級できない」「高校受験に影響する」「このままでは将来が……」
学校からのメールや、親同士の会話で、こういった情報が飛び交うからです。実は、この不安は全く根拠がないわけではありません。ただし、多くの親が「欠席数が多い=絶対に進級できない」と思い込んでいるのが問題なんです。
うちの子も不登校になった時、私も同じ不安を抱きました。「30日以上休むと進級できない」という話を聞いて、毎日欠席数をカウントしていた時期もあります。でも、実際に学校と話してみると、そんなに単純ではなかったんです。
「親の責任では」という罪悪感
同時に、親は「自分の子育てのせいで、子どもが学校に行けなくなった。そのせいで進級できなくなるかもしれない」という罪悪感を感じています。
親のメンタルが疲弊している時、この罪悪感は本当に重いです。学校の先生からも「出席日数が足りない」と言われたら、親の心はさらに追い詰められます。
▼欠席数だけが進級を決めるわけではない
法律で決まっていることと、学校の裁量
ここから、学校現場の現実をお話しします。
実は、進級要件は、法律で「欠席が〇日以上ならアウト」とは決まっていません。
「え、決まってないの?」と驚く親が多いですが、本当です。
文部科学省の指針では、各学校が「出席状況、学習成績その他学習状況の総合的な評価」に基づいて、進級を判定すると書かれています。つまり、学校の判断で決める部分が大きいんです。
だから、「欠席30日でアウト」という学校もあれば、「欠席が多くても進級した」という子もいるわけです。

実は「評定」「学習成果」の方が重要
学校現場で、進級判定の時に実際に見られるのは:
- 出席状況(欠席日数)
- 評定(各教科の成績)
- 学習の取り組み(レポート提出など)
- 生活指導(問題行動の有無)
この中で、実は②の「評定」がかなり重要です。
「欠席が多いけど、提出物をちゃんと出していて、テストもまあまあ取れている子」なら、進級の可能性は高まります。逆に「出席は100に近いけど、何もしていない子」よりも、進級しやすいケースもあるんです。
不登校の子の場合、「学校に行っていない=成績がつかない」と思う親が多いんですが、在宅での学習成果も評価されることがあります。これは学校によって違うので、確認が必須です。
▼「欠席と進級」の関係
出席0で進級した子、100で留年した子の違い

高校でのケースを見てみましょう。
✅ 欠席50日以上でも進級した子の共通点
- 親が学校と定期的に連絡を取っていた
- 在宅でも勉強を続けていた(通信教育、オンライン授業など)
- 提出物は出していた
- 親の「何とか進級させてほしい」という熱意が、学校に伝わっていた
❌ 出席90日以上でも留年した子の理由
- 学習成績が極めて低かった
- 生活指導上の問題があった
- 授業態度が悪かった
つまり、「欠席日数」は、進級判定の「要素の一つ」に過ぎないんです。
高校が本当に見ているポイント
では、学校は本当は何を見ているのかというと、
「この子は、今後、学校に適応していく見込みがあるか」
進級させるということは、「この子はやっていけるだろう」という判断です。
だから学校は、「欠席は多いけど、この子は頑張ろうとしている。親も応援している。だから、見守る価値がある」と思えば、進級させるんです。
逆に、「欠席が少ないけど、この子は何もしようとしていない。親も学校任せ」という子なら、留年を勧めることもあります。
高校側も留年や退学を積極的に薦めるわけではありません。むしろ、進級させようと色々手を尽くしてくれるところが多いです。
▼親が学校と話す前に知っておきたい3つのこと

1)その子の「評定」は今どうなってるか
まず、親が確認すべきは「我が子の今の評定は何なのか」です。
「欠席が多いから、成績は0」と思い込んでいる親が多いんですが、実際には:
- 提出物が評価されることもある
- テストを受けた教科は成績がつく
- 在宅学習の成果が加味されることもある
学校との面談の時に、「欠席が多いですね」と言われたら、すぐに「では、現在の評定はどのようになっていますか?」と聞いてください。具体的な数字が見えれば、親の不安も減ります。
2)学校は定時制・通信制をどう説明してるか
学校が「欠席が多い」という話をする時、実は「進学先の提案」がセットで来ることもあります。
「通信制高校も選択肢ですよ」「定時制も考えてみてはどうですか」という提案です。
これを聞くと、親は「あ、進級は難しいのかな」と感じますが、必ずしもそうとは限りません。
学校は「選択肢を広げる」という意図で言っているだけかもしれません。
ここで大切なのは、「通学する高校への進学は難しいということですか?」とストレートに聞くこと。
曖昧なままだと、親の不安だけが大きくなります。
3)親として「出席」以外に何ができるか
親が「欠席を減らす」ことに必死になると、子どもはさらにプレッシャーを感じます。
だから、親ができることは、むしろ「在宅での学習サポート」「メンタルサポート」の方が重要です。
具体的には:
- 「学校に行きなさい」ではなく「今、何か困ってることはない?」と聞く
- 通信教育やオンライン授業を検討する(=出席日数の代わりになる可能性)
- 子どもが「何か頑張れること」を一緒に探す
学校との面談では、「欠席を増やさないために、親としてこんなことを考えています」と伝える。これが、学校の「進級させてもいい」という判断を後押しします。
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親が知っておきたい進路選択肢
ここまで読んで、「でも、もし進級できなかったら?」と不安になる親もいるでしょう。
大丈夫です。選択肢はあります。
実際に、不登校を経験した子たちが、その後どうなったかを見ていると:
- 高2で進級できず、もう1年高2をやり直した子 → 後に定時制高校に進学し、今は働いている
- 欠席が多いまま中3に進級した子 → 通信制高校に進学し、自分のペースで学んでいる
- 出席日数は足りなかったけど、進級できた子 → 定時制高校に進学し、仕事をしながら通っている
進級できるか、できないか。それ自体は、その後の人生を決める要因ではありません。
今の時代、通信制高校も、定時制高校も、高卒認定試験も、いろいろな道があります。子どもが「自分のペースで学べる場所」を見つけることが、親としては一番大切です。
今からでも親ができることはある
「もう欠席が減らせない」と親が諦めるのが、一番もったいないです。
今からできることは:
- 学校に「今後、どうしたらいいか」を相談する(進級可能性の確認)
- 子どもの学習状況を整理する(オンライン授業の導入など)
- 子どもの「次のステップ」を一緒に考える(進路の話)
親が「欠席数」という数字に縛られて、子どもを追い詰めるのではなく、「では、ここからどうしよう」と前を向くこと。それが、子どもにとって一番の応援になります。
▼欠席が多くても、ここからの選択肢はある
不登校の子を持つ親の多くは、「欠席数」という数字に不安を感じています。
でも、学校関係者として見てきた現場では、「欠席日数が多い=その子の未来が終わる」ではありません。むしろ、親が「どう子どもをサポートするか」の方が、その後を大きく左右します。
学校との話し合いで、欠席数の話が出ても、落ち着いて「では、進級の可能性は?」「親として何ができる?」と聞く。その姿勢が、子どもを支える力になります。
親として「完璧に学校に行かせる」のではなく、「この子のペースで、学び続けることをサポートする」。その視点の転換が、子どもの人生を変えます。
うちの子たちも、紆余曲折ありましたが、今は「自分のペースで学べる環境」の大切さに気づいています。欠席が多い時代があったからこそ、その後の選択肢が見えたんだと思います。
親が不安に思うのは当然です。でも、その先には必ず道があります。


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